個人再生はどんな住宅でも残すことができるの?

 

個人再生は借金を大幅に減額することができて、しかも持ち家を手放さなくてもよいというところが最大のメリットですよね。

 

 

住宅ローン支払い中の場合は住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)を利用することでマイホームを守ることができますが、既に住宅ローンを完済している場合はどうなのでしょうか?

 

 

気になったので調べてみると、残念ですが住宅ローンを完済している自宅を手放さずに個人再生をすることは難しいようです。(例外的に手放さなくても大丈夫なケースもありますが、どのような場合かはこのまま読み進めてくださいね。)

 

 

個人再生のメリットとして「住宅を残すことができる」ということがあまりにもクローズアップされているので、住宅ローンを完済した住宅や、相続などで元々住宅ローンがない住宅も残せるのかなぁ?と思ったのですが、やはり手放さなくてもよいのは住宅ローン支払い中の持ち家だけでした。

 

 

住宅ローンの支払いが残っている住宅を手放さずに個人再生をするには住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)を利用して、再生計画案に住宅資金特別条項を付けて提出をします。

 

 

住宅ローン特則を利用することができるのは自分が居住するための住宅で、その住宅に住宅ローンを担保するための抵当権が設定されていることが条件となります。

 

 

その他にも、住宅ローン特則を利用するためには住宅に他の担保権が設定されていないなどの条件があるのですが、詳しくはこちらの記事を参照してくださいね。

 

 

住宅に抵当権が設定されているので、住宅ローンの債権者(住宅資金を貸している金融機関など)以外のその他の借金の債権者にとっては住宅の売却資金で借金を回収することはできません。しかし、住宅ローンを完済した住宅なら売却することで借金の返済に充てるお金が捻出できることになります。

 

 

小規模個人再生では最低弁済額を計算する際、「1.法律で定められた金額」「2.財産を全て換金した時に得られる金額」のうち多い方、給与所得者等再生ではその2つに加えて「3.申立前2年分の可処分所得」のうちの一番多い金額が最低弁済額になります。

 

参考記事
小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
個人再生の可処分所得とは?計算方法は?

 

 

住宅ローンを完済していたり相続などで元々ローンの支払がない住宅の場合は財産ですので、個人再生を利用するためには売却した時に得られる金額以上を返済しなければいけません。

 

 

これは清算価値保障の原則といって、もし自己破産したとしたら財産はすべて売却、換金して各債権者に配当されることになるので、個人再生でも同等以上の返済をすることが債権者の利益のために保障されています。

 

 

仮に、借金の総額が500万円、住宅ローンを完済している住宅を売却すると1000万円の価値があるとすれば、住宅を売却した時に得られる金額のほうが借金の総額よりも多くなってしまいます。

 

 

このようなケースだと借金の減額はまったくされないことになるので、わざわざ書類を揃えて裁判所に個人再生の申立てをする意味がありませんよね^_^;

 

 

 

例外的に住宅を残せるケース

 

借金の総額は先程の例と同じく500万円だけど、住宅を売却した時に得られる金額が300万円の場合はどうでしょう。住宅以外には財産がないとしたら、最低弁済額は300万円になります。

 

 

500万円が300万円に減額されて、3年間で支払うことが可能なだけの収入が見込めるのなら、住宅を残したまま個人再生をすることもできそうですよね。

 

 

 

もう一つのケースは個人事業主などで借金の総額が多い場合です。例えば借金の総額が3000万円、住宅を売却した時に得られる金額が1000万円だったとします。仮に他に財産がないとすれば、住宅の資産価値分の1000万円が最低弁済額になります。

 

 

1000万円を3年、または5年で支払うとなると、かなり収入が多くないと大変かもしれませんね。でも支払いが可能であれば住宅を残して個人再生をすることもできます。

 

 

 

以上のように、個人再生ではどんな住宅でも手放さなくてもよいというわけではなく、基本的には住宅を残せるのは住宅ローンが残っている住宅だけということになります。そしてその場合は、住宅資金貸付債権に関する特則(住宅ローン特則)を利用することになります。