支払不能ってどういう状態?

自己破産にはデメリットもありますが、借金が全て帳消しになるというのは大きなメリットです。お金を貸した業者側から見ると、貸したお金が返ってこないのは損失ですよね。

 

 

ですから、自己破産は誰でもができるというわけではありません。例えば、払う能力があるのに「払いたくないから」なんていう身勝手な理由では破産は認められないのです。まぁ、そんな人は珍しいとは思いますけどね…^_^;

 

 

自己破産は裁判所を通して行う手続きで、破産法という法律に従って進められます。破産法では自己破産の申立をするには「破産原因」が存在することが必要とされています。破産法15条では個人の破産原因は支払不能だけであると定められています。

 

 

裁判所に自己破産の申立をして、申立人が支払不能の状態にあると裁判所が判断した時のみ、破産手続きの開始が決定します。

 

 

支払不能とは「債務者が弁済能力の欠乏のために即時に弁済すべき債務を一般的かつ継続的に弁済することができない客観的状態」のことをさすといわれています。

 

 

要するに、「借金が多くなりすぎて返済できない、借金返済で生活もままならないようなどうしようもない状態」ということなのですが、収入や借金の額、資産の額などで具体的な数字や基準はありません。

 

 

財産はなくても信用や技術・労力などの目には見えない資産によってお金を調達して、返済を続けていくことができるのなら「弁済能力の欠乏」とはいえないので、支払不能状態ではありません。

 

逆に、財産はあっても売却したりしてすぐにお金に換えることが難しく、お金の用意ができない場合は弁済能力が欠乏していることになります。

 

 

ただ、「信用でお金を調達する」といっても貸金業者やクレジット会社からの借金でお金を工面しても、それは弁済能力があるとはいえません。

 

 

また、その月だけたまたま予定外の出費があって支払えなくなった場合などは「継続的に弁済することができない」とはいえないので、弁済能力の欠乏にはなりません。

支払不能の判断基準

支払不能かどうかは、債務者(お金を借りている人)の財産・職業・給料・信用・労力・技能・年齢・性別や個々の様々な事情などを総合的に裁判所が判断して認定されます。収入がいくらとか、借金の総額がいくら以上といった基準はなくケースバイケースです。

 

 

一般的には、資産や預貯金がない場合は申立時点の収入で3年ぐらいの分割返済で完済できないくらいの借金総額が支払不能の目安とされているようです。

 

 

もう少し具体的にいうと、手取り収入から住居費を差し引いた金額の3分の1で3年間の分割返済で完済できないくらいの借金があれば自己破産と言われています。借金の額は利息制限法で引き直しをした後の金額の総額になります。

 

 

例えば手取り収入が25万円、家賃が7万円の賃貸住宅に住んでいる人の場合

 

(25万円−7万円)÷3×36ヶ月=216万円

 

それ以上の借金総額がある場合は支払不能が認められて自己破産ができるということになります。

 

 

これはあくまでも目安です。家族に病気の人がいて医療費が毎月かかるとか、会社の業績が悪く給料が減り続けていてリストラの心配もある、などなどいろいろな事情もあることと思います。

 

 

支払不能かどうかの判定をするのは裁判所ですが、債務整理の経験のある弁護士・司法書士にまずは相談してみることをおすすめします。