自動車ローンを滞納すると車を引き上げられるの?

車を買うときってローンを利用する人がほとんどだと思うのですが、購入時にディーラーや車の販売会社が取り扱ってる自動車ローンを利用した場合、滞納すると車を引き上げられることがあります。

 

 

 

ディーラー、車の販売会社が取り扱っている自動車ローンは、オリコ、ジャックス、セディナ、アプラスなどの信販会社のローンです。

 

 

 

信販会社のローンは、購入する車が担保になるので、銀行のマイカーローンなどに比べると、比較的審査に通りやすいと言われています。審査結果が出るのも早いので、販売会社も銀行ローンよりも自社で取り扱っているローンを勧めてくるようですね。ただし、金利は銀行に比べると高くなっています。

 

 

 

信販会社の自動車ローンには所有権留保条項というものがあって、車の所有権はローン会社にあります。車検証を見ると、所有者の欄はローン会社になっていて、車の購入者が使用者の欄に書かれていると思います。

 

 

「ローンの返済ができないときには車をローン会社に返却します」という契約になっているため、滞納すると車が引き上げられて売却され、ローン代金の一部に充てられます。

 

 

とは言っても、1ヶ月でも引き落としができなかったらすぐに車が引き上げられてしまうわけではありません。そりゃそうですよね、そこまで鬼のような契約だったら、怖くてローンなんて組めないですよね(笑)

最初の滞納から車引き上げまでの流れ

では、どのくらい滞納したら車を引き上げられてしまうのでしょう。最初に引き落としができずに滞納してから車が引き上げられるまでの流れを調べてみました。

 

 

引き落とし日
残高不足で引き落としができない。(1回目の滞納)

 

郵便で督促
「再引き落としまでに口座に入金をしてください」といった内容の文書が郵便で届く。銀行によっては再引き落としができず、着圧式のハガキで振込用紙になっている場合や封書で振込用紙が同封されている場合もある。

 

再引き落とし日(入金期日)
通常の引き落とし日から約2週間後
引き落としができない又は入金がない

 

電話と郵便で督促
最初は郵便だけだが、ここからは電話もかかってくるようになる。
「翌月の引き落とし日に2ヶ月分引き落とすので、2ヶ月分の入金をお願いします。」

 

引き落とし日
残高不足で引き落としができない。(2回目の滞納)

 

電話・書面
車の引き上げ予告
「○月○日までにお支払いがない場合は車を引き上げます」

 

最終催告書
期限の利益喪失の約20日前に書面で届く。期限の利益とは、期日が来るまでは債務を返済しなくても良い権利のこと。期限の利益を喪失すると、期限の利益を失うことになる。

 

 

チェック

例えば、「100万円を20回の分割払いで返済、返済日は毎月27日」という契約の場合、毎月27日に5万円を支払えばよいという期限の利益を喪失してしまうと、残っている借金を一括で返済しなければいけなくなります。

 

 

期限の利益をいつ喪失するのかは契約によって違いますが、最終催告書に書かれている入金の期日を過ぎると期限の利益を喪失します。

 

車の引き上げ日の決定
3回目の引き落とし日前に、支払いが可能かどうかの確認の電話連絡がある。もし、支払いができそうにもないということであれば、この時点で車の引き上げ日を決定することもある。

 

引き落とし日
引き落としができなければ滞納が3ヶ月分になる。かなり厳しい状況だが、この時点ではまだ期限の利益は喪失していないので、1〜2ヶ月分でも支払いをすれば車の引き上げは待ってもらえる可能性もある。

 

期限の利益喪失
分割払いができなくなり、残りのローンを一括返済する義務が生じる。車の引き渡し義務も確定し、「車両引き渡し請求書」が届く。期限の利益喪失がいつなのかは信販会社によって異なる。

 

車の引き上げ
信販会社の依頼を受けて、中古車買取業者が車を引き上げに来る。「車両引き渡し同意書」や「売却同意書」にサインをして車を引き渡す。

 

 

チェック

期限の利益喪失後は車を引き渡す義務がありますが、ローン会社が勝手に車を持っていくことはできません。たとえ所有者であっても他人の占有物を勝手に持ち去ると窃盗罪になるそうです。

 

だからといって引き渡しをしないでゴネていると、訴えられて裁判になることがあるので、ここまできてしまったら素直に引き渡したほうがよさそうですね(^_^;f

 

車の売却
どのくらいの期間で売却されるのかは業者、車種などによって違う。売却されると「車両売却充当額のお知らせ」という書面が届く。ローンの残額に車の売却代金を充当しても足りなかった分は一括請求の請求書が届く。

 

 

チェック

何ヶ月滞納すると車が引き上げられてしまうのかはローン会社によって異なるようですが、だいたいは上記のような感じで、目安としては3ヶ月分ぐらいでしょうか。

 

 

車を売却してローンの代金充てても足りない分は、通常 一括請求されるのですが、ローン会社によってはローンを組み直して分割払いができる場合もあるようです。ただし、必ず保証人を立てることが条件になっているみたいです。

自動車ローン滞納による車引き上げ以外の問題

バカにならない遅延損害金

 

支払いが遅れると、元本に対して遅延損害金が発生するのですが、遅延損害金は引き落とし日の翌日から発生します。遅延損害金の利率がけっこう高いんですよね…

 

借入額

制限利息

遅延損害金の上限利率

10万円未満

20%

29.2%

10万円以上100万円未満

18%

26.28%

100万円以上

15%

21.9%

 

 

実際には遅延損害金を上限利率ギリギリまで引き上げて設定している信販会社はなく、だいたい14%〜20%ぐらいのところが多いようです。

 

 

パーセントではあまりピンとこないかもしれませんが、例えばローン残高が元金100万円で遅延損害金が20%として30日滞納した場合、次のようになります。

 

100万円×20%×30/365≒16,438円

 

結構な金額ですよねwww

 

 

 

ブラックリストに載っちゃうの?

 

ローンの契約内容や支払状況は個人信用情報機関に登録されています。自動車ローンを滞納して車を引き上げられるところまでいってしまった場合には、支払状況に関する情報として異動と記録されます。

 

 

この異動がついてしまうと、いわゆる金融ブラックという状態となり、その後のローンの申込みやクレジットカードの新規申し込みの際には審査に通らなくなってしまいます。

 

 

ローン会社によっては、車の引き上げまでいかなくても、「滞納をした」という事実が記載される場合もあります。「異動」になるくらいの長期の滞納の場合のみ情報機関に報告するところもあれば、1ヶ月の滞納でも報告する会社もあるようです。

 

 

どのタイミングで滞納が報告されるのかは会社ごとに違うのですが、「異動」はついていなくても滞納の事実が記載されていれば、新たにローンやクレジットカードの申し込みをしたときには審査に通りにくい場合もあるかもしれません。

 

 

「1ヶ月だけなら大丈夫!」などと楽観しないほうがいいかもしれませんね。

 

《個人信用情報機関やブラックリストについての参考記事》
ブラックリストの正体とは?個人信用情報機関について

 

 

訴えられて裁判に

 

返済日に引き落としができないと郵便や電話で連絡があります。郵便を全く見ていなかったり、電話にも出ないで無視し続けたまま1ヶ月、2ヶ月と経過して滞納額が増えていった場合、間違いなく訴えられると思います。

 

 

自動車ローンの場合は車を引き上げて売却することでいくらかは回収が望めるので、車を引き上げるために裁判を起こされる可能性が高いと思います。

 

 

支払いができていないという負い目もあるでしょうし、電話にでるのが怖いという気持ちもわかりますが、怖いお兄さんから電話がかかってくるわけではないので電話にはちゃんと出ましょうね。

 

 

すごく丁寧に優しく対応してくれると思いますので、払えない事情があるのなら話をして、真摯に対応しましょう。

 

 

また、「車を勝手に持っていくことはできない」と書きましたが、だからといって引き渡しを拒否しても訴えられてしまいます。

 

 

訴えられた場合には、車の引き渡しと残金の一括請求を求められます。ローンの契約も滞納も事実なので、争っても勝ち目はありません。裁判では分割払いで和解を目指すことになります。和解できたとしても車は引き渡さないといけませんし、もし渡さないと強制執行で車は持って行かれることになると思います。

 

 

裁判となると時間もお金も余計にかかってしまうので、督促の郵便物はちゃんと目を通し、電話にも出るようにしましょうね。

 

 

《裁判についての参考記事》
裁判所からの郵便物を受け取らないで受取拒否するとどうなるの?
借金で裁判所から訴状が届いた!答弁書の書き方は?
借金で裁判所から呼び出し状が!無視したらどうなるの?

 

 

どうしても車の引き上げだけは困る!という場合は?

自動車ローン以外にも何件か借金があるのなら、任意整理をするのも一つの方法だと思います。任意整理なら、整理する借金を選べるので、自動車ローンはそのまま支払いを続けて車にも乗り続けることが可能です。

 

 

任意整理をする借入先には弁護士さんの受任通知を送った時点で一旦は返済をしなくてもよくなりますし、返済をしなくても督促されることもありません。それまで他の返済に充てていたお金を自動車ローンの返済に回すことができます。

 

任意整理についてはこちらの記事も読んでみてくださいね。
任意整理とは?任意整理のメリットとデメリット

 

 

あと、車を引き上げられてしまっては困るからといって、ローン返済のために別のところから借金をするのは絶対にやめましょうね。借金を借金で返済しても、近い将来必ず破綻します。

 

 

「一回ぐらいいいか…」「今月だけ…」「ここを乗り切れば…」私も最初はそんな気持ちでしたが、だんだん歯止めが効かなくなり感覚がおかしくなっていきました。

 

 

返済のために借金を考えるところまで来てしまったら、借金を増やす前に弁護士さんに相談してみましょう。任意整理以外にもあなたにピッタリの良い方法があるかもしれません。

まとめ

自動車ローンの滞納で車を引き上げられるのはディーラー、車販売会社と提携している信販会社のローンを利用した場合。

 

 

ローン会社にもよるが、3ヶ月滞納すると車が引き上げられることが多い。

 

 

引き上げられた車は売却されてローンの残債に充当されるが、足りない分は一括で支払わないといけない。

 

 

車の引き上げは、ローン会社が勝手に車を持っていくことはできないので、使用者立会で引き上げを行う。

 

 

次のようなケースは訴えられて裁判になる場合がある

  • 車の引き渡しを拒否した場合
  • 郵便物や電話での督促を無視した場合

 

 

遅延損害金が返済日の翌日から発生する

 

 

車を引き上げられた場合、個人信用情報機関には「異動」が記載されていわゆる金融ブラック状態になる。引き上げまでいかなくても滞納したという事実が記載される場合もある。

 

 

どうしても車を引き上げられては困る場合、弁護士に相談。自動車ローン以外にも借金があるのなら、自動車ローン以外の借金を任意整理して自動車ローンの支払いを続けることで車を残せる場合もある。

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