裁判所が遠くて行けない。。。どうして近くの裁判所じゃないの?

借金を未払いのまま放置していると、訴えられることがあります。裁判所から訴状や口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状、答弁書などが特別送達という特別な書留郵便で届きます。

 

参考記事
裁判所からの郵便物を受け取らないで受取拒否するとどうなるの?
借金で裁判所から訴状が届いた!答弁書の書き方は?

 

口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状には、裁判が行われる日時と場所が書かれています。「○月○日××時に△△裁判所の第○法廷に来てくださいね」という呼出状なのですが、自宅から飛行機や新幹線で行かないといけないような遠方の裁判所の場合もあるようです。

 

 

どうして自宅に近い裁判所じゃないんでしょうか?

 

 

裁判は本来、被告(訴えられた側)の住所地で行うものなのだそうです。これは「普通裁判籍」といって、民事訴訟法に定められています。裁判は原告(訴える側)の都合で行われるものなので、「せめて被告の住所地で」というのが原則ということです。

 

 

ただし、貸金請求訴訟の場合は原告の住所地で訴えることもできるのだそうです。このことは、「特別裁判籍」といって、訴訟の種類ごとに、管轄する裁判所の管轄地について定めた法律による裁判籍で、民事訴訟法5条1項1号には「財産上の訴えは義務履行地を管轄する裁判所に提訴することができる」と定められています。

 

 

義務履行地とは、「お金を返すべき場所」のことで、民法の原則では「債務者は債権者のところまでお金を持参して返済しなければいけない」のだそうです。なので、「義務履行地は原告側の住所地」ということになるみたいです。

 

 

そして、これらの普通裁判籍、特別裁判籍といった、法律で定められた裁判の管轄のことを法定管轄というそうです。

 

 

また、契約書に「本契約に関して訴訟が生じた場合は○○地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。」といった文言が書かれていることがあります。

 

 

この、専属的合意管轄法定管轄よりも優先されるので、訴えられた側からすると、自宅からとても遠い場所での裁判になってしまう場合もあるということのようですね。

「移送」ができるのはどんな場合?

自分が住んでいるところからあまりにも遠い裁判所から呼出状が来たら、例えば福岡に住んでいるのに東京の裁判所に行かないといけなくなったら、遠くて行けない人のほうが多いんじゃないでしょうか。

 

 

だって、借金が払えなくて訴えられているわけだから、交通費も払えないですよね。。。そんな場合は東京ではなく福岡で裁判をするよう、申し立てることができるそうです。これを移送(申立て)といいます。

 

 

でも、移送申立てをすれば必ず認められるというわけではなさそうです。どういった場合に移送が認められるのでしょうか。

 

 

管轄に間違いがある場合

 

原告が管轄を間違って、裁判所に訴状を提出した場合など。ただし、被告が異議を唱えないで、管轄違いの裁判所で裁判が始まってしまった場合は応訴管轄といって移送されなくなることがあります。

 

 

原告、被告どちらかの移送申立に対して、相手方の同意がある場合

 

たとえ相手方の同意があっても移送すると著しく訴訟が遅れたり、すでに被告が裁判の内容について反論等を行った場合(応訴管轄)には移送されません。

 

 

訴訟の著しい遅滞を避ける、または当事者間の衡平を図るために必要がある場合

 

裁判所が自宅から遠いというのはこの「当事者間の衡平を図るために必要がある場合」に含まれるようです。でも、申し立てをすれば必ず移送が認められるというわけでもなく、最終的な判断は裁判官に委ねられているようですね。

 

 

生後間もない赤ちゃんがいる場合や病気や怪我で遠方まで出かけられない場合などは移送が認められやすいみたいです。でも、裁判に出席できなくても、答弁書を提出して擬制陳述が可能なら、わざわざ移送しなくてもいいのではないか?という判断から却下されるケースもあるようです。

 

擬制陳述についてはこちらの記事も読んでみてくださいね。
借金で裁判所から呼び出し状が!無視したらどうなるの?

 

 

また、「電話会議」という制度もあるのですが、本人確認が難しいため個人ではあまり認めてもらえないそうです。弁護士や司法書士が代理人になっている場合は事務所の電話にかけることで本人の確認になり、電話会議も認められることが多いようです。

移送申立てで注意すること

移送の申立てよりも先に答弁書を提出すると、裁判の内容について反論等を行ったと判断されて応訴管轄が生じてしまい、移送が認められなくなることがあるようです。移送を希望するなら答弁書よりも前か答弁書と同時に提出をしましょう。

 

 

ただ、移送が認められる可能性はそんなに高くはないとうのが現実のようです。認められるためには「移送を申し立てる理由」について、気合を入れて申立書を書く必要がありそうです。

 

 

色々と不安がある場合は専門家に依頼するのが最善の策かなとは思います。