自己破産の申立にはたくさんの書類が必要

自己破産をするためには裁判所に破産手続開始の申立をしないといけません。申立をする裁判所は自分が住んでいる住所地を管轄している地方裁判所になります。

 

 

自己破産手続きの流れの記事にも書きましたが、住民票を置いている住所と実際に住んでいるところが違う場合は実際に住んでいる場所を管轄している裁判所に申し立てることになります。

 

 

申立に必要な書類は裁判所ごとに決められていて、書式が違ったり、一緒に提出する附属書類も違う場合があるようです。ですが大まかにはどの裁判所も変わりはないので、どのような書類が必要なのかみていきたいと思います。

 

 

提出書類は記入しなければいけない書類取り寄せたりして揃える書類の二つに大きく別れます。「記入する書類に書いたことが間違いない事実ですよ」ということを証明したり補足するために色々と集めなければいけない書類があるということですね。

 

 

記入しなければいけない書類

 

 破産手続開始申立書
 陳述書
 家計収支表
 債権者一覧表
 財産目録

 

 

これらは裁判所によって定型の書式がある場合が多いと思います。裁判所によっては少し名称が違っている場合もあります。例えば、「破産手続開始申立書」は新潟地裁では「破産手続開始及び免責申立書」ですが、大阪地裁では「破産申立書」ですし、「財産目録」が「資産目録」となっている裁判所もあるようです。

 

 

記載する内容も少しずつ違いがあるので、実際に申立、提出をする裁判所で確認してみてくださいね。では、だいたいどういったことを記載するのかを説明していきます。

 

 

【破産手続開始申立書】

 

主な記載事項は 住所、氏名、申立ての趣旨、申立ての理由などです。裁判所によっては定型の書式があるところもあります。また、他の提出書類をすべてそろえて裁判所に提出をするときにその場で記載する裁判所もあるようです。

 

 

【陳述書】

 

職歴、結婚・離婚歴、同居・別居の家族、住居の状況(持ち家か賃貸か)借金をした事情、破産申立に至った事情、免責不許可事由に該当する行為はないか、などについて記載します。

 

 

【家計収支表】

 

申立前、2ヶ月分の家計の収支を記載します。同居している家族全員分の収支を記載しないといけません。

 

 

裁判所に提出するのは月ごとに集計をしたものを2ヶ月分なのですが、私の場合、弁護士さんから毎日の収支を書く用紙を渡され、毎日のお金の流れを記載していました。最初に依頼してから過払い金請求の裁判があり、破産の申立まで1年近くかかりました。期間も長かったのでこれはちょっと苦痛でしたね^_^;

 

 

A4用紙1枚に7日分、1週間分が1枚になっている用紙でした。1ヶ月毎に手持ちの現金と通帳の残高から繰越額を計算して、合っていないと焦りましたよ(汗)生活を立て直して破産後に二度と借金に頼らない生活を送っていけるように、ということなのでしょうね。

 

 

弁護士さんがきっちりしていてくれたので裁判所には一度も行くことなく免責になったのかもしれません。ちょっと話がそれてしまいましたね…

 

 

【債権者一覧表】

 

公租公課(税金など)は用紙が別になっている場合もあります。

 

 

【財産目録】

 

持っている財産を記載します。記載事項は以下のようなものです。

  • 現金
  • 預貯金
  • 保険
  • 積立金
  • 賃貸住宅の保証金・敷金
  • 貸付金、求償金
  • 退職金
  • 不動産
  • 自動車
  • 20万円以上の価値のある貴金属、着物、電器製品等
  • 20万円以上の価値のある株券、会員権等
  • 過去2年以内に処分した財産(20万円以上の価値)
  • 近日中に取得することが見込まれる財産

「20万円以上」となっているものは、裁判所によっては「10万円以上」を記載しなければいけない場合もあるようです。

 

 

以上の他に、裁判所によっては定形のチェックリストのようなものがあり、記入して一緒に提出しなければいけないというところもあります。

 

 

 

附属書類と入手先、入手方法など

 

このページの冒頭にも書きましたが、上記の記入して提出する書類が事実かどうかの確認、補足のための書類です。どこで取得すればよいのか、また取得方法も調べてみましたので参考にしてくださいね。

 

 

 戸籍謄本(全部事項証明書)

 

申立前、3ヶ月以内に交付されたもの
手数料450円が必要で、本籍のある市区町村役場でしか請求することができません。遠方や時間がない場合は郵送でも請求することができます。

 

 

郵送の場合の必要書類

  • 申請書
  • 自分の住所や氏名を書き切手を貼った返信用封筒
  • 免許証のコピーなどの本人確認書類
  • 450円分の郵便局の定額小為替

 

申請書は所定の書式がある場合は各市区町村のホームページからダウンロードができます。書式が決まっていない場合は、氏名、住所、生年月日、電話番号、本籍、筆頭者、筆頭者との関係、使用目的、提出先などを記載します。

 

最近ではマイナンバーカードがあればコンビニで請求できる市区町村もありますし、送付先や必要書類も各自治体のホームページなどで確認してみてくださいね。また、戸籍謄本は提出しなくてもよい裁判所もあるようです。

 

 

 住民票

 

申立前、3ヶ月以内に交付されたもの
住所地のある市区町村役場で請求します。住民票は世帯主、続柄、本籍地等の省略のないもので、家族全員の分が必要です。手数料は各市区町村によって違いますが、200円〜350円ぐらいのようです。

 

 

   《住民票の住所と実際に住んでいる住所が違う場合》

 

 実際に住んでいるところの住居表示がわかるもの

 

例えば賃貸住宅であれば賃貸借契約書、他には公共料金の請求書や領収書などが必要です。

 

 

   《外国人の場合》

 

 外国人登録原票記載事項証明書

 

申立前、3ヶ月以内に交付されたもの

 

 

 

 

 

 給与明細書のコピー

 

裁判所によって2ヶ月分のところと3ヶ月分のところがあるようです。

 

 

 

 源泉徴収票のコピー

 

これも裁判所によって1年分のところと2年分必要な裁判所があるようです。

 

 

 

 課税証明書(収入がない場合は非課税証明書)

 

住所地の市区町村役場で取得します。300円程度手数料が必要です。こちらも裁判所によって1年分のところと2年分のところがあります。

 

 

 

《自営業の場合》

 

 確定申告書のコピー2年分
 国民健康保険料の決定通知
 住民税の決定通知
など

 

 

 

《生活保護を受けている場合》

 

 生活保護の受給者証のコピー

 

 

 

《雇用保険を受けている場合》

 

 雇用保険受給者証のコピー

 

 

 

他にも公的に受給しているものがあれば、わかる書類が必要になります。
例えば
 児童手当や就学援助の決定通知
 児童扶養手当・特別児童扶養手当の証書
などです。

 

 

また、年金や国民健康保険、住民税などの減免を受けている場合は減免の決定通知、分納で納めている場合は分納の金額などがわかる書類なども必要です。

 

 

 

 

《賃貸住宅に住んでいる場合》

 

 賃貸借契約書

 

 

 

《公営住宅、社宅等に住んでいる場合》

 

 住宅使用許可書など

 

 

 

《病気で働けない場合》

 

 診断書のコピー

 

病院で発行してもらいます。病院ごとに料金は違います。

 

 

 

財産目録に記入する項目と附属書類、入手先

 

・現金

 

いくら以上を書かないといけないかは裁判所によって違うようです。例えば大阪地裁では5万円以上ですが、横浜地裁では20万円以上となっています。

 

 

 

・預貯金

 

 通帳のコピー

 

申立人名義の通帳をすべてコピーします。表紙、裏表紙、1枚めくった支店名などが書かれている面も必要です。期間は過去2年分で、まとめて記帳されている場合は銀行などから取引履歴を発行してもらいます。

 

私の場合、弁護士さんに言われて、申立の直前にATMで10円を入金して記帳をしました。日付が入るのでそれが最後の取引とわかるからだそうです。

 

 

 

・保険

 

 保険証券のコピー
 解約返戻金の証明書

 

生命保険、火災保険、自動車保険などすべての保険です。解約返戻金(解約したら戻ってくお金)がある場合、申立時点で解約すればいくらになるか、解約返戻金の証明書も必要です。契約している保険会社に申し出れば、解約返戻金の証明書を発行してもらえます。

 

2年以内に解約済みの場合、何に使ったのか使いみちを記載しないといけません。

 

 

 

・積立金

 

 金額を証明する書類

 

社内積立、財形貯蓄などです。会社で発行してもらいます。

 

 

 

・賃貸住宅の保証金・敷金

 

 賃貸借契約書

 

 

 

・貸付金、求償金

 

 契約書

 

求償金とは、保証人になっていて、債務者に代わって支払った借金を主債務者に対して請求することです。債務者の代わりに支払うことを代位弁済といいます。回収できない場合は回収できない事情を記載します。

 

 

 

・退職金

 

 退職金見込額証明書

 

会社に発行してもらいます。破産申立がバレるのでは?と心配な場合や辞めるつもりなのかと思われるのがイヤなど、なんとなく会社にはもらいにくですよね。そんなときには会社の「退職金支給規定」のコピーと退職金計算書でもOKです。

 

 

私の場合、自己破産すると決めたときに弁護士さんに相談に行く目に会社を辞めてしまったのですが(詳しくはプロフィールを読んでみてくださいね)1年ぐらいしか勤めていなかったので当然、退職金はありませんでした。

 

 

でも、弁護士さんに「退職金がないことの証明書」をもらうように言われました。就業規定などがない小さな会社だったからかもしれませんね。退職金についての決まりがある就業規定があれば、その部分のコピーと勤務年数から退職金があるのかないのかはわかると思います。

 

 

 

・不動産

 

持ち家の場合は家族所有でも記載しないといけません。

 

 不動産登記全部事項証明書

 

不動産登記全部事項証明書は法務局(登記所)で取得できます。所有している家や土地を管轄している法務局以外でも全国どこの法務局でも大丈夫です。

 

 

気をつけなければいけないのは、戸建てやマンションなどの建物なら家屋番号、土地の場合は地番が必要なことです。家屋番号や地番は住居表示(ふだん使っている住所)とは異なる場合があるのです。地番、家屋番号は登記済権利証や固定資産税の納税通知などで確認しておきましょう。

 

 

法務局にある「登記事項証明書の交付請求書」に必要事項を記載して提出します。発行手数料は1通につき600円で、交付請求書に600円分の収入印紙を貼り付けます。収入印紙は法務局内の印紙売り場で購入することができます。

 

 

直接 法務局に出向かなくても、郵送で請求することもできます。郵送の場合は「登記事項証明書の交付請求書」を法務局のHPからダウンロードして印刷し、必要事項を記入、600円分の収入印紙を貼り付けて切手を貼って住所を書いた返信用封筒と一緒に送ります。収入印紙は郵便局で購入することができます。送り先(法務局の住所)は法務局のHPで確認してくださいね。

 

 

また、オンラインで請求することもできます。オンラインの場合、手数料が少し安くなります。郵送で受け取る場合が500円、オンラインで請求して最寄りの法務局で受け取る場合は480円です。

 

 

手数料の納付も収入印紙ではなくインターネットバンキングで電子納付が可能です。Pay-easyに対応したATMでも納付することができるようです。時間も法務局の窓口は平日の午前8時30分から午後5時15分までですが、オンラインなら平日午前8時30分からは変わりませんが、夜は9時まで請求できますので便利ですね。

 

 

 固定資産評価証明書

 

市区町村の役所で取得することができます。手数料は自治体によって違いますが、350円〜400円ぐらいのところが多いようです。請求には免許証などの本人確認書類が必要です。

 

 

 不動産業者の査定書
 ローン残高証明書(ローンで購入している場合)

 

 

 

 《不動産を何も所有していない場合》

 

 無資産証明書
 課税台帳未登録証明書

 

市区町村役場で取得します。同時廃止の場合、ほとんどの人が不動産を何も持っていないと思います。これは裁判所によってはいらないところもあるようです。

 

 

 

・自動車

 

 車検証のコピー
 査定書など車の時価が分かる書類

 

 

・20万円以上の価値のある貴金属、着物、電器製品等
・20万円以上の価値のある株券、会員権等

 

 貴金属の場合は鑑定書など
 時価が分かる書類

 

 

 

・過去2年以内に処分した財産(20万円以上の価値)

 

不動産や自動車の他、退職金や離婚に伴う財産分与なども含まれます。金額が分かる書類、具体的に何に使ったのかを記載しなければいけません。

 

 

 

・近日中に取得することが見込まれる財産

 

損害賠償金、財産分与など

 

 

 

《裁判関係の書類がある場合》

 

 判決、和解書などのコピー

 

例えば

  • 未払いで訴えられて債務名義が確定している
  • 離婚で慰謝料が入ってくる、または支払わないといけない
  • 養育費の支払いを受けている、または支払わないといけない
  • 交通事故で損害賠償金を受け取る、または支払わないといけない

など、裁判や調停などの書類があればコピーを提出しなければいけません。

 

 

弁護士に依頼すれば安心!

 

以上、破産手続開始申立に必要な書類とその取得方法、取得場所をまとめてみました。裁判所によって必要な書類も微妙に違うので、必ず申立、提出先の裁判所で確かめてくださいね。

 

 

でも、たくさんの附属書類が必要だということはおわかりいただけたんじゃないかと思います。書類を揃えるだけでも大変な作業ですよね。私の場合は弁護士に依頼していましたので、役所などで請求・取得するものに関しては弁護士さんの方で用意していただきました。

 

 

自分が持っている書類などは、弁護士さんの指示通りに弁護士事務所に持参しました。コピーを取らないといけないものも弁護士事務所でとっていただきました。すべて自分で揃えるとなると、かなりの手間と時間と労力がかかっただろうと思います。

 

 

書類に不備があると申立に時間がかかったり、何度も裁判所に足を運ばないといけなくなります。弁護士さんにお願いしていると安心してお任せできるので、私は弁護士に依頼していて良かったと思っています。

 

 

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